先日、ふたつの施設長からこんな話をお聞きしました。
一つめは、ある障がい者センター長のおはなし。
「いゃあーなかなか心のバリアフリーは進みませんね。肢体不自由の人達のグループホームを作ろうと思っても、ことごとく近隣住民の反対にあいます。
反対の理由はたいてい、資産価値が下がる・火事でも出たら困るです。でも、本音のところは、汚らしい・子供にいたずらでもされたら・気持ちが悪い、という理由です。
もちろんこんなことは人権問題にかかわるので、公には発言しませんがね。
その反対の先頭に立つのが、学校の教師だったり、大手企業の部長だったり、弁護士だったり、社会的に立派な方々ばかりなのです。
なぜ、私たちの所なのか、なぜ、障がい者センターの周りではだめなのか、そう言います。
ほんとに、障がいのある人たちの事を理解して頂くのは難しい。」
こう嘆いておられました。
二つめは、ある知的障がいの方たちのための福祉作業所長のおはなし。
「最近、新宿大ガードそばのビルの窓ふきや路上清掃の仕事を頂きました。人通りが激しくダンボールハウスも並ぶ場所で、ほうきの扱い方にも配慮のない作業所生が、通行人にほうきの柄をぶつけたり、ウロウロ窓ふきなどしていて邪魔にならないだろうか、と最初のうちはとても心配しました。
でも、近頃ではダンボールハウスの住民も一緒に路上を掃いたり、通行人がご苦労さんと声をかけてくれたり、ジュースの差し入れがあったり、地域における社会参加を実践しているなーとつくづく実感しています。」
みなさんはこのふたつのお話どう思われますか。
嘆くべきか、喜ぶべきか。
わたくしはこう思います、どちらも現実なんだと。
ただ、いろいろな人たちが集まって暮らしているこの社会の中で、自分以外の人の事をもう少し関心を持って大切に考えていただけたら、もっともっと住みよい社会になるのではないかと思うのですが。
(T・H)